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'10/01/15: 防犯・防災思想について

おとなしく病院で寝てるのは性に合わない。寝ることも休むのも好きだが、やっぱり不自由は嫌なもの。怪我をして知る健康のありがたみ。ああ、寝すぎで腰が痛い。

伊丹十三の「女たちよ!」を先日うちの親父に渡されたので読んでいる。中にアイルランドの警察の話があった。かの有名なアラビアのロレンスの名俳優ピーター・オトゥールが故郷のアイルランドを語ったものだ。

深夜営業の免許をもたない1時閉店の酒場に、閉店時間頃にお巡りさんがやってくる。アイルランド民謡を朗々と歌いながら。民謡がやむと酒場の扉の外で咳払いがあり、大声で独り言をいう。

「おや、わしの時計ではもう1時になっておるぞ。こんな時間にもう酒を飲んでいる者もなかろうが、しかしこれもわしの役目じゃ。ひとつ不意打ちに検査してやろう。」

そうして5分ばかりすると慎み深く扉を叩く音がして、雲突くような大男のお巡りさんがはいってくる。

人間が人間の尊厳を保ちながら生きられる唯一の場所がアイルランドだと、ピーターは言う。お巡りさんの機能は人を罪に落とすことではなく、犯罪の予防にある。そういう理屈が現実に通用する唯一の場所なのだとピーターは言う。

童話の北風と太陽を思わせる防犯・防災思想は、ぼくらも忘れるべきではない。

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