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'09/03/31: 裁判の定石、ぼくが関わった裁判など
1.法令解釈 2.要件事実の選別 3.要件事実への法令適用(あてはめ)
この3つができれば、裁判はそれなりに戦える。というか究極的にはこれ以外は裁判にならない。
まず大前提。
裁判は正義を行う場所ではない。
民事訴訟は双方の法的正当性を争う場であり、刑事訴訟は犯罪かどうかを判定する場になる。あくまで
「法律に適合しているか否か」
なんだ。
議員が関わりやすい裁判では、行政訴訟というものもある。これは民事訴訟に近いけれど、判決は必ず白黒つける必要がある。民事訴訟では判決前に双方合意する和解があるが、行政訴訟には和解がない。
本来的に、行政機関は法律や条例に沿って事務を執行する。だから
行政訴訟というのは、およそ8割以上は訴える側の言いがかりになる
、と、ぼくは判断している。だから実際、目黒区が訴えられた裁判で負けた事例はほとんどない。直近では政務調査費返還命令への不服審査請求だった。
現在高裁で係争中だが、地裁で負けた判決をすごく噛み砕くと、
「
当時は政務調査菱と基準の禁止事項に裁判費用を規定していない
し、この議員は訴訟を議員活動の質問に使ってるし、当時の分を返還させなくてもいいでしょ」
という「政務調査費は、もう少し各議員の判断で自由でいいよ」とも取れる判断だった。
こういう事例を見ていると、
「裁判には戦い方がある」
と強く感じる。いうなれば定石。外れて勝てないとはいわないけれど、勝ちづらいのは事実。それが冒頭に書いたものだ。
定石を実行するに必要なのはリーガルマインドと言われる。我田引水にならない法律解釈(法律の成り立ちと意図)を理解しようとしてれば、勝手に身につく(?)と思う。ある意味
「無理に戦わない姿勢」
が、最もリーガルマインドに近いかもしれない。
いかに客観的になるか、主観と誤解を排除するか。
そこが裁判の要点だ。裁判は1手段であり、最終手段に過ぎない。
実際に議員が行政訴訟を起こすのは、議会で暴くことができなかった時点で負けが見えている、とも言える。なにしろ裁判で出てくる資料なんてのは、正しく情報公開申請すれば全部出てくるものばかりなんだ。正しい情報を正しく分析したら、勝てるものはすぐ分かる。
孫子の兵法で言うなら、兵士を動かして実際に戦争をするのが裁判だ。戦場に兵を持っていく前に勝敗を決しておく覚悟がいる。ゲームの逆転裁判みたいに法廷で新証拠とか出てきたりはしない。
軽々しく兵を動かす将帥は、兵法では無能と言われる。
それは現代も変わらない。
ぼくは裁判が嫌いだ。だから裁判になる前に全部始末する。なにしろ裁判というのは時間を食う。限られた活動時間しかないのだから、訴訟ごときに時間を費やしていたら、いつになっても政策実現ができない。数年かけて訴訟して自分の意見を裁判所の後ろ盾で行政に実行させるなんて遠回りをしていたら、人生が終わってしまう。
だけど、
ぼくは議員になってからいくつかの訴訟を起こされた。
政務調査費に関するものと、議場発言に関するものなどだ。そして、ぼく自身も他人に対して住民監査請求を行った。(こういう争いでの基本は、攻撃されたら速やかに反撃して有無を言わせず叩き伏せる、だと思う。)
政務調査費というのは「政務調査」という非常にあいまいな要件がある。これを規定する条文は無い。だから裁判所はあくまで議会ごとに定めている議会申し合わせや規則をもとにして判断する。そしてそういうものがない場合にのみ、裁判官が若干の判断を加えることがある。
もし「政務調査」という要件事実をもとにして訴訟を起こすなら、目黒区においては目黒区の規定が最優先される。
それが分からない一部のお騒がせ議員はいる。懲りずに訴訟も起こすかもしれない。
だが目黒区議会は、相当細かく規定を定めてしまった。だから裁判所はすごく楽だ。この規定に外れていないものは要件事実に見なされない。裁判所は、申し合わせ・規則を判断基準の基にする。別種の法令に触れていない限り、裁判所は
「政務調査でないと認めることはできない」
とあっさり言うのが分かっている。
だから独歩の関係者は常々言う。「すべての規定をなくして、議員が自由に判断すればいい」と。そうすれば訴訟で裁判所が判断する部分が増え、争いやすくなる。それだけの話だ。選挙目当てもいいかげんにしろ。
実際、これまでの目黒区で起きた政務調査費行政訴訟では、
独歩のお騒がせ議員は何百万円もが不正であると騒いでいたが、裁判所に数千円程度しか主張が認められなかった。
それどころか、途中で訴えたもののほとんどを取り下げている。
ようするに言いがかりをつけて騒いで、勝てなさそうだから取り下げた。たぶん裁判官も「こんな訴えるのは自由だけど、違法を証明する証拠は出せるの? 出せないなら取り下げなさいな」みたいなことを言ったんだろうなと思うところ。
また今はいない元独歩の無所属議員は、存在しない発言をもとに「発言したことが名誉毀損だ」と訴えた。要件事実が存在しない訴訟というのは、はっきり言って意味が分からない。
そしてぼくは裁判にすらせず不正を証明して、勝っている。
ぼくが起こした政務調査費の住民監査請求は102万円余の返還を求めて101万円余が認められている。
(不服審査請求を退けられ、どうやら分割で返納しているようである。)
この違いは何か。
ぼくは
「政務調査かどうか」
なんて要件では争わなかった。そんなのは個々人の判断で違うことだから裁判で勝てるかどうか心もとない。そんな裁判は「出たとこ勝負の丁半博打」だから、裁判官には通じない。
ぼくは事実に基づいて「条例違反を証明」した。
だから返還命令が監査事務局から出され、裁判にすらしないで終わった。
ぼくは勝つことが目的だったから、最小限の致命傷を与えるための戦術を取った。お騒がせ議員らは裁判をすることが目的だったから後で取り下げるような内容で訴訟を起こした。
それだけだ。
孫子の兵法には、こうも書かれている。
「戦で重要なのは勝つことで、長く戦うことではない。」
「勝ちやすい戦いに勝つのが真の勝ちで、一か八かで勝つのは本物ではない。」
法律的思考、リーガルマインドは
「勝ちやすい戦い」を見極める
のに役に立つ。まあ、いまの目黒区議会で、「訴訟」という場面であるならば、ぼくはほぼすべて勝てるだろう。少なくとも、負けはしない。その自信ができたのは、馬鹿な訴訟を起こしてくれた議員たちのおかげかもしれない。ぼくも、自分にこの方面の能力があることは気づいてなかった。
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'09/03/31: 裁判の定石、ぼくが関わった裁判など
1.法令解釈 2.要件事実の選別 3.要件事実への法令適用(あてはめ) この3つができれば、裁判はそれなりに戦える。というか究極的にはこれ以外は裁判にならない。まず大前提。裁判は正義を行う場所ではない。民事訴訟は双方の法的正当性を争う場であり、刑事訴訟は犯罪かどうかを判定する場になる。あくまで「法律に適合しているか否か」なんだ。
議員が関わりやすい裁判では、行政訴訟というものもある。これは民事訴訟に近いけれど、判決は必ず白黒つける必要がある。民事訴訟では判決前に双方合意する和解があるが、行政訴訟には和解がない。
本来的に、行政機関は法律や条例に沿って事務を執行する。だから行政訴訟というのは、およそ8割以上は訴える側の言いがかりになる、と、ぼくは判断している。だから実際、目黒区が訴えられた裁判で負けた事例はほとんどない。直近では政務調査費返還命令への不服審査請求だった。
現在高裁で係争中だが、地裁で負けた判決をすごく噛み砕くと、「当時は政務調査菱と基準の禁止事項に裁判費用を規定していないし、この議員は訴訟を議員活動の質問に使ってるし、当時の分を返還させなくてもいいでしょ」という「政務調査費は、もう少し各議員の判断で自由でいいよ」とも取れる判断だった。
こういう事例を見ていると、「裁判には戦い方がある」と強く感じる。いうなれば定石。外れて勝てないとはいわないけれど、勝ちづらいのは事実。それが冒頭に書いたものだ。
定石を実行するに必要なのはリーガルマインドと言われる。我田引水にならない法律解釈(法律の成り立ちと意図)を理解しようとしてれば、勝手に身につく(?)と思う。ある意味「無理に戦わない姿勢」が、最もリーガルマインドに近いかもしれない。いかに客観的になるか、主観と誤解を排除するか。そこが裁判の要点だ。裁判は1手段であり、最終手段に過ぎない。
実際に議員が行政訴訟を起こすのは、議会で暴くことができなかった時点で負けが見えている、とも言える。なにしろ裁判で出てくる資料なんてのは、正しく情報公開申請すれば全部出てくるものばかりなんだ。正しい情報を正しく分析したら、勝てるものはすぐ分かる。
孫子の兵法で言うなら、兵士を動かして実際に戦争をするのが裁判だ。戦場に兵を持っていく前に勝敗を決しておく覚悟がいる。ゲームの逆転裁判みたいに法廷で新証拠とか出てきたりはしない。軽々しく兵を動かす将帥は、兵法では無能と言われる。それは現代も変わらない。
ぼくは裁判が嫌いだ。だから裁判になる前に全部始末する。なにしろ裁判というのは時間を食う。限られた活動時間しかないのだから、訴訟ごときに時間を費やしていたら、いつになっても政策実現ができない。数年かけて訴訟して自分の意見を裁判所の後ろ盾で行政に実行させるなんて遠回りをしていたら、人生が終わってしまう。
だけど、ぼくは議員になってからいくつかの訴訟を起こされた。政務調査費に関するものと、議場発言に関するものなどだ。そして、ぼく自身も他人に対して住民監査請求を行った。(こういう争いでの基本は、攻撃されたら速やかに反撃して有無を言わせず叩き伏せる、だと思う。)
政務調査費というのは「政務調査」という非常にあいまいな要件がある。これを規定する条文は無い。だから裁判所はあくまで議会ごとに定めている議会申し合わせや規則をもとにして判断する。そしてそういうものがない場合にのみ、裁判官が若干の判断を加えることがある。
もし「政務調査」という要件事実をもとにして訴訟を起こすなら、目黒区においては目黒区の規定が最優先される。それが分からない一部のお騒がせ議員はいる。懲りずに訴訟も起こすかもしれない。
だが目黒区議会は、相当細かく規定を定めてしまった。だから裁判所はすごく楽だ。この規定に外れていないものは要件事実に見なされない。裁判所は、申し合わせ・規則を判断基準の基にする。別種の法令に触れていない限り、裁判所は「政務調査でないと認めることはできない」とあっさり言うのが分かっている。
だから独歩の関係者は常々言う。「すべての規定をなくして、議員が自由に判断すればいい」と。そうすれば訴訟で裁判所が判断する部分が増え、争いやすくなる。それだけの話だ。選挙目当てもいいかげんにしろ。
実際、これまでの目黒区で起きた政務調査費行政訴訟では、独歩のお騒がせ議員は何百万円もが不正であると騒いでいたが、裁判所に数千円程度しか主張が認められなかった。それどころか、途中で訴えたもののほとんどを取り下げている。ようするに言いがかりをつけて騒いで、勝てなさそうだから取り下げた。たぶん裁判官も「こんな訴えるのは自由だけど、違法を証明する証拠は出せるの? 出せないなら取り下げなさいな」みたいなことを言ったんだろうなと思うところ。
また今はいない元独歩の無所属議員は、存在しない発言をもとに「発言したことが名誉毀損だ」と訴えた。要件事実が存在しない訴訟というのは、はっきり言って意味が分からない。
そしてぼくは裁判にすらせず不正を証明して、勝っている。ぼくが起こした政務調査費の住民監査請求は102万円余の返還を求めて101万円余が認められている。(不服審査請求を退けられ、どうやら分割で返納しているようである。)
この違いは何か。
ぼくは「政務調査かどうか」なんて要件では争わなかった。そんなのは個々人の判断で違うことだから裁判で勝てるかどうか心もとない。そんな裁判は「出たとこ勝負の丁半博打」だから、裁判官には通じない。ぼくは事実に基づいて「条例違反を証明」した。だから返還命令が監査事務局から出され、裁判にすらしないで終わった。
ぼくは勝つことが目的だったから、最小限の致命傷を与えるための戦術を取った。お騒がせ議員らは裁判をすることが目的だったから後で取り下げるような内容で訴訟を起こした。
それだけだ。
孫子の兵法には、こうも書かれている。
「戦で重要なのは勝つことで、長く戦うことではない。」
「勝ちやすい戦いに勝つのが真の勝ちで、一か八かで勝つのは本物ではない。」
法律的思考、リーガルマインドは「勝ちやすい戦い」を見極めるのに役に立つ。まあ、いまの目黒区議会で、「訴訟」という場面であるならば、ぼくはほぼすべて勝てるだろう。少なくとも、負けはしない。その自信ができたのは、馬鹿な訴訟を起こしてくれた議員たちのおかげかもしれない。ぼくも、自分にこの方面の能力があることは気づいてなかった。